レモンシボリ

皆さんご覧になっていると思いますが、蓼科湖からプール平に上ってくる途中、道路わきにある白い変わった建物、正式名称は「紀元二千六百年文化柱」ですが、レモンシボリと呼んだ人もいるようです。言われてみれば確かにレモン絞り、実はこれ80年前に建てられたタイムカプセルなのです。

建物に貼ってある案内板は腐食してよく見えませんが、脇の支柱には
ーーーーこの建物は日本紀元二千六百年を記念して、当時の新聞、雑誌、図書などの文化物を一百年後の子孫への贈り物とする目的として新聞之新聞社が地元・湯川区(現茅野市)のご協力を得て昭和十五年(一九四〇)に建設したタイムカプセルです。ドーム内に六千余点の文化物が収蔵されていて、二〇四〇年元旦に開扉されます。------
とあります。日中戦争が行われていた、太平洋戦争が始まる前の時代に作られたものなのですね。

小津安二郎映画の共同脚本家でともに蓼科で夏を過ごした野田高梧の蓼科日記にもこの「レモンシボリ」が登場しています。当時まだ未舗装で雨が降ると道がドロドロになって車がこの急坂を登れなくなってしまうというエピソードが書かれてあります。

扉を開けるのは20年後です。

蓼科日記 抄

元祖 蓼科アイス
蓼科湖に新しくできた道の駅のアイス屋さんにもこの名がつけられています。
蓼科日記にはたびたびこのお店の名が登場しています。