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2025.08.26

鎌倉道を歩いてみた

以前、映画「鹿の国」のブログを書くために諏訪大社上社周辺を訪れた際に気になっていた遊歩道を歩いてみました。
鎌倉時代、御家人たちが「いざ鎌倉」と馳せ参じた道が「鎌倉道」、「鎌倉街道」と呼ばれています。全国各地にありますが、前宮~本宮周辺ではこれを遊歩道として整備しています。

鎌倉道遊歩道の案内看板

今回は前宮水眼(すいが)広場からスタートです。カフェやトイレを併設した交流センターで地図をいただきます。この先トイレは無いので、こちらでお借りしました。

駐車場にはバスが乗り入れ、御宮の周辺にはたくさんの参拝者がいましたが、案内看板に従って小道に入ると人っ子一人いない不思議な空間でした。
本当にこの道を歩いて行って大丈夫?と少し心配になりましたが、よく見れば下草はきれいに刈られており、砕石も敷かれていて歩きやすい道になっています。地元の方が管理しているのでしょうか。山の中は人の手が入らなければ、直ぐに草茫々ですからありがたいことです。

目線の端に何か赤いものが見えたと思ったら、野生のホウズキでした。深緑の森に朱が映えて、小さな冒険に彩を添えてくれます。まだ青い栗の実や、桔梗、淡いピンクのリコリスの花たちにクロアゲハが舞っていて目を楽しませてくれます。

陽の陰る時間を狙って歩き始めましたが、その日の気温は33℃越えの猛暑!山の中でも暑い。
折しもそこからは上り坂で汗が一気に噴き出します。
地図を見るとここが一番の踏ん張りどころのようです。小川に沿って細い小道をひたすら上ると、舗装された道に出ました。そこからは車も通れるような林道だったので、ホッと一息。水分補給を忘れずに。

しばらく歩き、給水タンクのようなものが見えたところで、その先は下り坂です。そしてまた分岐点。今まで歩いてきた幅広の道に分かれを告げて、細い山道に入ります。山の斜面を人一人が通れるくらいの道を下っていきます。また不安になりますが、しばらく進むと道の脇にはロープも張ってあり、人の手が入っていることがわかり安心します。そのロープに蝉の抜け殻を見つけました。人工物でもなんでも羽化に利用して蝉ってたくましい。

氏神様や天神様の鳥居の脇を失礼して山を下ります。景色も一気に開けて八ヶ岳を望むビュースポットです。

人家の合間を縫うように石垣が続く道を通り過ぎ、アスファルトの道に出ました。地面からの放射熱と直射日光を浴びて、山道との違いを感じます。

何とか宮川まで降り、川沿いを川越し公園まで歩きます。こんな炎天下でも釣りをしている人や、設置されている東屋には人影があり、なかなか小休止できません。熱中症も心配なので、川越し公園に到着したところで小さな冒険は終了です。

今回は前宮から亀石周辺に向かって歩きましたが、地図の上では半分くらいです。途中写真を撮影しながら、のんびり歩いて2時間くらいの行程です。この道で本当に大丈夫かなと思う頃に絶妙なタイミングで出てくる案内看板に歩かされた感じです。

前宮から本宮までのルートは以前に歩いたことがありますが、峰たたえのイヌザクラや高過庵、低過庵、空飛ぶ泥舟などの藤森照信氏の建築物も有り、こちらもおススメです。

「いざ鎌倉」というと馬で駆けていくイメージでしたが、歩いた感じでは馬は難しいかなと思いました。
当時、国道152号線あたりはきっと湖か川底か湿地帯だったのではないかと推測されます。山の中腹のようなところを道が通っているのは、今よりも諏訪湖が大きかったからなのでしょう。
ほんの2時間歩くだけでも、色々と思いを巡らせるよい冒険でした。
(里山とはいえ昨今は熊のニュースもあるので、こちらを確認してから出かけました。)

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