国道299号線と麦草峠

国道の看板
蓼科ビレッジの別荘地内を縦断している国道299号線と麦草峠の歴史について検索してみます。
国道299号線を走っていると道路沿いには様々な標識・観光案内板・広告宣伝板・名勝案内・記念碑・速度制限・標高表示などなどが目につきますがここでは国道299号線と麦草峠の標識と看板について的を絞って行きます。
まずは滝見平の「これより蓼科ビレッジ別荘地」の表示看板のところから出発します。その手前に「ようこそ蓼科中央高原へ 299 メルヘン街道」の案内板があります。また旧ビレッジ管理事務所前には国道299号と麦草峠の正式名の案内板が現れます。  ではどのようにしてこれらの名前がでてきたのでしょうか。
旧ビレッジ管理事務所の先に東屋のある見晴らし台があります。そこには大石峠開通記念碑が建立されています。この記念碑に国道299号線と麦草峠の経緯が記されています。

大石峠開通記念碑
大石峠は昭和41年10月26日に20.7kmを総工費3億8千万円という巨額での大工事で竣工されました。記念碑によると開通までは茅野佐久町線大石峠という名称で記されています。
この道路の開通によって中央線茅野駅と小海線八千穂駅間が南信と東信の最重要道路となりそれまでの県道から新たに国道299号線麦草峠として文化・経済・物流の交流と共に観光用道路の別名メルヘン街道としても全国的に注目されるようになりました。
このようにして国道299号線麦草峠・メルヘン街道は茅野佐久町線大石峠の名称を経ることになります。

旧大石峠
麦草峠になる前の名前は大石峠でさらに以前の峠は現在の位置より標高の高い茶臼山・縞枯山方面への中腹に旧大石峠としての歴史を感じる古びた道標が立っている所です。この旧大石峠は江戸時代以前から茅野諏訪と佐久方面への無くてはならない重要な街道でした。街道といっても当時は馬と徒歩での人が往来できる位の道幅だったのです。この峠は麦草火山地帯を横断し火山岩の大石群が露岩しているところから大石峠と呼ばれたのでしょう。時代が経つにつれて通行し易い現在地点に新しい大石峠が移設され県道から現在の国道299号線の麦草峠となりました。

ガイドアラカルト
千曲川の源流の一つとしてこの旧大石峠付近から湧き出て流れ出る沢を大石川と呼び千曲川へ注ぎ日本一長い信濃川(367km)に合流して日本海まで続くのです。この旧大石峠の原生林の中を直登すると茶臼山・縞枯山の火口痕跡が残る円頂丘の頂に到達します。ここでは日本でも珍しいシラビソの縞枯れ現象が見られます。南方面には南八ヶ岳の荒々しい峰々が現れ眼下には火山特有の溶岩台地が雄大に裾野を広げビレッジエリアの蓼科高原も一望できる絶景のポイントでもあります。一方分岐点を左に折れるコースはオトギリ草の平原を進みコケモモの庭を通って駒鳥の池へ行かれるのも良いし出逢いの辻を右に折れピラタス坪庭方面へ行かれるのも良いでしょう。初夏には新緑の森と山を賛美、青空にはのんびりと浮かぶ白い綿雲。そんな光景の中での散策は日常の慌ただしさと忙しさが嘘のよう。

佐久からの登山者
そのトレッキングの途中、佐久方面からの賑やかな登山者の一行に行き会いました。会話のなかで新臼田小学校の話に触れ4月11日の開校日について話をしてくれました。11日の11というのは両開きの観音開き戸の2本の取っ手になぞらえてその扉の取っ手を左右に開くことによって新小学校の歴史が開くと同時に児童たちの未来への夢と希望も開かれるという願いが込められた縁起の良いいわゆるお正月の行事の一つである「蔵開き」や「鏡開き」を意味する日の11日であるとのこと。そこで統合した新小学校の歴史が始まる記念すべき開校日を良き開運に託し併せた新年度最初の4月の11日に定めたとのこと。
なるほど・・・それだけ地域の人たちは思慮が深くそのうえ新小学校と児童たちへの未来に思いを寄せていることがよく分かりました。

さらにこの地域出身の新海誠監督のアニメ映画「君の名は。」(登場人物宮水三葉の声優は上白石萌音)三葉が舞をしたゆかりの舞台であの五稜郭近くにある「新海三社神社」へも行かれるといいですよと薦めてくれました。そこで、こちらからも「君の名は。」の聖地の一つ新田次郎生誕の地で、あの糸守湖のモデルになった夕日が沈む諏訪湖を一望できる絶景スポット「立石公園」へも行かれるといいですよと紹介しました。そしてお互いの再会を誓って有意義な出会いの場を後にしました。

麦草峠
さて麦草峠は大石峠・旧大石峠などの名称や位置を変えて今日に至っているのです。この植物の麦草とはイネ科オオムギ属でこの峠一帯に叢生しているところから麦草峠の名称が由来されたのでしょう。また麦草峠は国道としては志賀高原の渋峠とともに山岳地帯の高い所(2,127m)を横断していることになります。この峠は富士山や日本アルプス以外の山々の最高峰に匹敵する亜高山帯ですからいかに高い標高に位置しているかが分かります。

今日の蓼科高原は国道299号線麦草峠・メルヘン街道(茅野佐久町線大石峠)の開通に携わった方々。ビレッジエリアの開発に先駆けた先見の明ある創設者の方。その後代々の先導されている見識者の方々。環境向上に尽力されている山荘の皆様方。全ての方々の並み並みならぬ努力によって日本でも有数の名だたる高原観光地としてリゾート地としての現在があるのです。